【みさと不動産プラス知っトク情報】自宅をお買替えするときにあるとうれしい「引渡し猶予特約」とは？

こんにちは、みさと不動産プラスの中原です。

お買替えをする場合に住宅ローンなどの関係で売却したお金を受け取り・購入代金のお支払いを同日で行わなければいけないということがよくあります。

この場合、いつお引越しをすればいいんだろう…という問題が発生します。

そこで、売却の代金を受け取り、所有権移転登記は行うけれど、鍵の引渡しを1週間ほど待ってもらうようにお願いしたりします。

これを「引渡し猶予特約」と言います。

お買替えをお考えしている人は是非、確認しておきましょう！

特約は特別な決まり事です。

特約の前に、まずは、

通常の不動産売買の残金決済引渡しを確認しておきましょう。

前提として、

残代金決済（=不動産の引渡し・鍵の引渡し）の流れを簡単に説明します。

STEP.1
残代金決済を迎える日までに引越を終わらせて簡単なお掃除をします。銀行手続きと法務局で登記をする関係で、残代金決済は一般的には午前中、遅くとも午後1時くらいにはスタートします。そのため、当日（朝一）に引越をするのは難しいですね。

STEP.2
買主様が指定する銀行か不動産会社の事務所に集まり、買主様から残代金を受け取ります。その残代金を住宅ローンを完済するのが一般的です。

STEP.3
司法書士が、売主様の抵当権抹消登記、買主様の所有権移転登記・抵当権設定登記を行います。

STEP.4
売主様の口座へ残代金が着金したことを確認できたら、領収証を交付し、鍵を買主様へ引き渡します。通常、ここで鍵を渡します。

STEP.5
この日から買主様は購入したマイホームへ引越しができます。

売却と購入を同時に行うから引渡し猶予特約が必要になりますので、

次のような場合は、引渡し猶予特約がなくても問題ありません。

■ お金に余裕がある・売却が完了していなくても住宅ローンが利用できるなど購入の残代金決済を先行してできる場合

■ 一時的にでも賃貸へ入り、仮住まいする予定がある場合

■購入物件に引渡前に、荷物を搬入できる場合（これは現実的ではありません）

■トランクルームなどに荷物を保管する場合（当然費用はかかります）

■引渡し猶予特約

本契約は売主が買替えの為、本物件の引渡しを残代金支払後7日間猶予するものとする。

■その他の変更点

・売主は、引渡しまで（鍵を引渡しするまで）本物件の管理責任を負います。

・固定資産税、管理費等の精算は、引渡し期日（鍵引渡日）を基準日として算出します。

・引渡し完了前（鍵引渡日前）に天災地変等の不可抗力により、本物件の全部または一部が滅失もしくは毀損した時は、その損失は売主負担とし、原契約の引渡し完了前の滅失・毀損の規定に基づき処理する。

★引渡し猶予の特約は、売主様の都合で、買主様に協力をお願いするものです。そのため、所有権移転登記が完了し、権利も移転されてはいますが、その不動産を所有することで発生するコストや責任は、売主様が鍵を引渡しするまで引き継ぎます。

引渡猶予の特約はあくまでも、特別な決まり事です。

売主様が特約を付けることは当然ではありません。あくまでも、買主様にリスクが生じることを理解した上で買主様に協力をお願いするものだということをお忘れのないようにお願いいたします。

また、所有権移転と引渡しとが同時ではない場合には、一定の期間、所有者ではない者が他人の物を使用することになり、その間の使用料を支払うかどうかは、売主様・買主様の当事者の協議に委ねられます。